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第5回らいだぁ杯・決勝戦カバレージ

ずぅみや選手vsキルリコ選手



 キーセレクションフォーマットのルリグ分布は、かなり偏ったものとなっていた。

 らいだぁ杯の決勝トーナメント参加チームは8チーム。キーセレ枠は各チーム1名。合計8つある決勝トーナメント進出デッキだが、そのうち実に半分、4つのデッキはルリグタイプ『翠子』だった。
 決勝卓に静かに座るずぅみや選手が使用しているのも、その翠子である。一回戦で半数の2人がチーム敗退し、準決勝で残ったうちの片方がチーム敗退。そんな中で、最後の最後まで駒を進めてきた。
 ずぅみや選手はこれで2回目のらいだぁ杯決勝進出者。彼は関東ではウリスの使い手として有名だが、今回はそのウリスの枠をオールスター担当であるRAIN選手に譲っていた。

「そのレシピで勝ってるのか!」

 試合開始前に声をかけたのは、前回優勝者ながら今回は予選敗退となってしまったmaster選手。
 どうやらずぅみや選手のデッキは彼が少し前まで使っていた構築に近いものらしい。

 対峙するのは、グズ子を使用するキルリコ選手。彼はミルルンの使用者として時折名前を聞くプレイヤーだが、今回はキーセレ枠での参戦のようだ。
 キーセレ1弾環境ではトップメタ筆頭だったグズ子は、メインの防御手段となる盾埋め防御がユニカーン+暴風警報と相性が悪い、ハンデス+凍結のリメンバにリソース面で無理矢理押し込まれる、などの様々な理由から、2弾環境では数を減らしているルリグである。

 その相性通り、予選では対面のずぅみや選手に敗北を喫しており、いわばこの決勝戦こそがリベンジマッチとなる。
 準決勝のカバレージで登場したほのキチ選手も予選では対面RAIN選手に負けていたらしく、少なくともどちらかが相性差を覆して勝たなければキルリコ選手のチーム『DM169段』の勝利はない。

 2回目の決勝卓で悲願の初優勝を狙うずぅみや選手と、予選で負けた相手への再挑戦のキルリコ選手。第五回らいだぁ杯最後の――より詳しく言えば、この後に運営チームとのエキシビションマッチがあるが――戦いが始まった。


 先手を取ったのはずぅみや選手。彼はエナチャージなしでグロウすると、手札のイバラヒメを切ってコインを獲得する。
 マリガンでは4枚チェンジと少々不安だったが、キュウソ+トロルとしっかりサーバントではないLv1を2枚出すことに成功した。

 キルリコ選手は同じくノーチャージ、ハリテンを切ってコインを獲得すると、カクヅケ2枚を場に並べてアタックフェイズへと入る。
 これでデッキトップがトリックであれば最高の滑り出し――であったのだが、残念なことにデッキトップはドアーフ。ルリグパンチもガードされ、ライフは6vs7でのスタートとなった。

 Lv2にグロウしたずぅみや選手は、先手時は不要と判断したか、この早期段階でルリグデッキからビカム・ユーを吐く。そして手札からドアーフを出し、リソース獲得の構えを取ってアタックフェイズ。
 相手のカクヅケ2面を踏んだ後に1点を取ると、LBからはハリテン。これでずぅみや選手の場のドアーフは場から退くこととなった。

 キルリコ選手は攻撃のチャンスを逃さない。
 Lv2にグロウしインサイダー・サルベージでカクヅケを回収すると、場にカクヅケ+ドアーフ2枚が一気に並ぶ。そして、彼のルリグデッキから、異体同心華代、要するに華代キーがアンロックされた。
 この華代キーは、グズ子が持つ一種の翠子への回答なのだろう。序盤からのダメージレースを加速させつつ、複数回の単体防御が行えることからユニカーンの攻撃に対応がしやすい。
 場だけで5アド、更に2点要求の盤面となったが、ここで吐く防御アーツはどれもこれもしょっぱい。ずぅみや選手はこの攻撃を全て通し、ライフは4対6。

 その後、3t目はお互いに大きなムーブは起きない。ずぅみや選手は特に面要求を行わず、キルリコ選手の後手3t目ジャバウォックの1点要求に対して流転を吐く流れとなった。

 先手4t目。ここからが、よく『詰め将棋』と呼ばれるキーセレクションの本番である。

 ずぅみや選手は四型金娘の翠子にグロウすると、すかさず先ほど吐いた流転を回収。
 翠子は動かし方を間違えなければ非常に安定するルリグであるが、その一方でイバラヒメやピーターなどクラフトアーツをしっかり筋道立てて使わないと攻め手が息切れしやすいルリグだ。
 ここで彼は、一旦長考に入る。そして、自分の残りエナと手札を確認すると、ユニカーンとピーターを場に立て、このターンに回収した流転を再度撃った。
 これで、ピーターによる全面ランサー付与に加え、ユニカーンでの1エナチャージが入る。更にユニカーンが流転を回収できる構えで、エナが3枚。このターンをテンタクルで耐えれば、次ターンには4エナでイノディが構えられる計算だ。
 ライフこそ6枚あるキルリコ選手だが、ここでユニカーンの攻撃を通させるわけにはいかない。結果、華代キーでのバニッシュがユニカーンに飛び、ずぅみや選手のエナは4。これで先手4t目は終了した。

 後手のキルリコ選手は4にグロウすると、デッキトップで奇数を引き当て2枚のドロー。インサイダーでリッパーを回収し、華代キーの効果で開いた盤面と合わせて2面要求だ。
 が、ずぅみや選手のテンタクルによりリッパーの攻撃は止まる。これでピーターが生存したまま、ずぅみや選手は1ダメージだけでターンを自分の側へと戻した。

 インサイダーにより3面要求が安定するとされるグズ子だが、実は翠子を相手にするとそう上手くはいかない。
 中央パワー+2000や棘々迷路によるパンプの関係で、パワーマイナスが届き切らずに要求が2面以下になってしまうことがそれなりにある。この辺りも、実はグズ子が翠子を苦手とする要因の1つとなっている。

 返しの翠子は3点要求が止まらない。
 ピーターを生き残らせたずぅみや選手は、ここでイバラヒメを出すとすぐ棘々迷路を使う。防御に不安があったのか華代キーもアンロックし、問題なく再び3面の要求が行われることとなる。
 ここにキルリコ選手の2回目のエクシードが飛んできて、場のイバラヒメが消えることとなった。トロルドとピーターによる2点ダメージがキルリコ選手へと飛び、LBのリッパーがちょっと遅いタイミングでめくれる。これでずぅみや選手の場のトロルドもバニッシュ。

 返すターンのキルリコ選手は、華代キーをママキーへと張り替えた。操作された山札からカードが1枚ライフへと加えられる。
 ここからは、グズ子が最も不安な展開が訪れる。相手にライフを割られることを前提としたこの防御方法は、ユニカーンによるアーツ回収の格好の餌食であるためだ。
 インサイダーで回収されたリッパー込みの3点要求に対し、ずぅみや選手は4グロウ後二度目の長考に入った。

 というのも、既にずぅみや選手のエナにユニカーンが2枚も見えているためだ。
 イノセントディフェンスを吐けば回収は容易であろうが、しかしここで吐くとダイレクトに処される危険がそこそこある。防御方法はどうすべきか?
 入念な確認をした後、彼は攻撃を全てそのまま通すことに決めた。LBはケイローンのみ。リッパーがバニッシュされるも、3点分の要求はきっちり通る。ルリグパンチはガードしたとはいえ、これでずぅみや選手のライフは1となった。

 先手6t目。相手が盾埋め防御を行ってきた絶好の機会だが、しかしずぅみや選手はやはりユニカーンを引き込めていなかったようだ。
 ひとまずケイローン2枚とイバラヒメを立て、棘々をパワー8000のケイローンに使っての3面要求。

「あっ!」

 ここで、キルリコ選手は痛恨のミスを犯す。2枚目のケイローンがランサーになっていることに気付かず、埋めておいたフックのLBでダウン凍結させる対象を『イバラヒメ+中央のケイローン』のみにしてしまったのだ。

 1点で止まったはずの攻撃が、ここで2点通る。苦い顔をしながらのキルリコ選手は、返しのターンの動きも強いものにはならなかった。
 エナの色が汚くインサイダーを撃つエナが準備しきれなかった彼は、ミミック切れを起こしていたのだ。バニッシュされた生き物で作られた黒エナでミミックを回収し、流転を4コストで吐いて恐らくフックであろうカードをライフに再び埋める。
 そして、リッパー1面のみでのたったの1面要求。この要求はずぅみや選手からの華代キーエクシードで飛ばされ、このターンに与えられるダメージは0となった。


 このタイミングで、他の卓からの試合結果報告が入る。デュエルマスターズはキルリコ選手のチームが、オールスターはずぅみや選手のチームが勝ち。
 2人に圧し掛かる重圧は強烈だ。ここで勝つことこそが、チームへの最大の貢献となる。

 お互いの面要求数と防御可能回数を算出して、LBによる誤差までケアしつつ、自分が死ぬまでに相手にダメージを通し切る。構築段階からそれを考えてデッキを組んでいくキーセレフォーマットが『詰め将棋』と呼ばれる由縁だ。
 ライフやエナの状況から残りアーツと攻撃回数が判断しやすい試合後半は、まさにその様相を呈してくる。
 今のずぅみや選手に残っている防御は「アーツ2枚+エクシード1回分」。キルリコ選手に残っている防御は「流転で埋めたLB」と見えないルリグデッキ1枚。
 後は、ずぅみや選手のユニカーンが欲しいが手に入らないという動きやキルリコ選手の青く濁ったエナを考え、最大限で点数を通せるように動くだけだ。

 ずぅみや選手は、7t目であるこのターンも、キルリコ選手の盾埋め要求に対してユニカーンを持ってくることはできなかったようだ。
 リムーブで凍結状態のシグニをどかすと、イバラヒメを2枚立てて棘々迷路を2枚撃ち、相手の盤面を全て空ける。キルリコ選手はインサイダーでリッパーを回収した後に攻撃を通し、やはり埋まっていたフックにより残りの2点が止まり、これでライフが1対1。

 往復、自分のターンでもインサイダーを使い、キルリコ選手はバラバラを回収する。リッパーを2枚立ててアタックフェイズは2面要求、ずぅみや選手は少し考えた後に華代キーでリッパーを1面バニッシュし、残る1面のリッパーを通す。とうとう彼のライフが0になった。

 そして、ずぅみや選手の手が止まる。

 4にグロウしてから延々と3面要求してきた。そこまではよかったが、ピーター+イバラヒメのターンの華代キーアンロックや盾埋め防御への3面要求と、ちょっとオーバーに点要求をしてきたずぅみや選手は、実はこの段階でダメージソースをほぼ枯らしてしまっていたのだ。
 相手のライフは1で山札が残り2枚。相手のアーツはインサイダーを除けば残り1枚で、アンロックされたママキーがまだ残っている。

 理論的には、このターンに相手の最後の防御アーツを吐かせ、次ターンを耐えて、回ってきた自ターンで2体シグニを立てて1面でも要求できれば恐らく勝てる。

 最終的に、彼は次のトップに賭けることに決めたようだ。
 ネコムスでエナからイバラヒメを回収し、キュウソ→アルラウネと出してキュウソのパワーを上げる。続けてアルラウネとネコムスをリムーブし、イバラヒメとアルラウネで更にキュウソをパンプしランサーを付与。これで、2面要求。
 2面が要求されると、キルリコ選手は防御アーツを吐くしかない。彼の残ったアーツはドント・ムーブで、しっかり2点が止められる。

 返すキルリコ選手が、ここで最終最大の攻撃を放った。
 ドンムで面は止まって、リッパーがいる。ここでインサイダーから更なるリッパーを回収し、そして――ダイレクト発動!
 この時のために、キルリコ選手はしっかり流転をベットなしで使用していた。

 ずぅみや選手のライフは0。3面全てを止めつつ、ダイレクトも受け切らなければならない。
 彼のルリグデッキから、残り2枚のアーツが連続で吐き出される。それは暴風警報とイノセントディフェンス。暴風がシグニを2枚止め、イノディが最後のシグニとダイレクトを止める。

 これでこのターンの要求0点が確定したキルリコ選手。だが、このダイレクトの一撃は、途轍もなく重い。
 これが他のルリグであれば、ずぅみや選手はイノディでイバラヒメを2枚回収して悠々と勝っていたであろう。しかし、ルリグ止めを強制させるこの攻撃はそんな動きを許さないのだ。

 そして、ずぅみや選手のライフ0、ラストターン。
 彼の手札から見える、1枚目のイバラヒメ。もし2枚目があれば、もしくはネコムスでエナからのイバラヒメが回収できれば、ずぅみや選手の勝利は確定だ。

 一方で、もしそれがないのであれば、インサイダーによるリッパー回収で、キルリコ選手の勝利が確定する。


 ――ずぅみや選手が出した、2枚目のカードは。
 ドアーフだった。


○キルリコ選手
●ずぅみや選手


 緊張の糸がぷつんと切れる。
 ずぅみや選手は試合終了後、周囲と敗因を検討する。そんな中で、キルリコ選手がほぅとひとつ息を吐くと、チームメイトと勝利を喜び合う。

 不利対面に対して後手を取り、途中把握漏れからのミスを起こしながらも、最後の点数要求までしっかり通し切ったキルリコ選手。
 彼とそのチームが、予選で負けた相手へのリベンジと共に、第五回らいだぁ杯優勝の栄冠を掴み取った。
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