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第7回らいだぁ杯・決勝カバレージ

 とうとう、この日がやってきた。

 隙があるので自分語りをするが、筆者はウムルに関してだけは色々と拘りを持っている。
 大型大会での優勝・準優勝回数が最も多いのはウムルだし、今回のらいだぁ杯エキシビションマッチで使うデッキももちろんウムルだし、カバレージでウムルについて書ける日をずっと楽しみにしていた。

 今回、その機会がやってきたのだ!
 チーム「あ ウルシゴキブリさんだ~~」の「森へお帰り……」選手、通称しみずき選手が今回使っているのは2止めウムル。2止めだろうがなんだろうが、とうとうウムルが決勝卓に登場したのだ!
 それでは、カバレージをご覧いただこう。


 わっく選手(ピルルク)vsシロネコ選手(ウリス)


 ……あれ?



 真面目な話をすると、某々亭にてカバレージ公開をしていただける某ほもん選手がしみずき選手の卓のカバレージを執筆したいと強く希望したため、筆者はあえなくキーセレクション卓のカバレージを担当することとなったのだ。
 そこに座っているのは、わっく選手とシロネコ選手。
 わっく選手といえば、準決勝のカバレージに登場したきなこ選手、そして上で名前が登場したねへ何ん選手と共に世界大会を優勝した強豪プレイヤーだ。最近はオールスターのセレモニーをワンショットデッキである『ダッシュタマ』で勝ちまくっていることで有名で、「いい加減ダッシュタマやめろ!」と言われ続けた弊害なのか今回はキーセレクション枠での参戦となったらしい。
 一方のシロネコ選手は、これまた最近ノリにノっているプレイヤーだ。キーセレクションの大型大会では夢限を使用して何度も入賞を重ねており、近頃はカードゲーム専門誌『カードゲーマー』でもよく名前を目にするなど、今をときめく一人であることは間違いない。

 筆者は決勝戦終了後、そんな彼らのうちどちらかにエキシビションマッチの景品としてキャットフードを渡すことになるため、割とよくわからない胃痛も抱えながらカバレージを取ることになった(キャットフードの行く末はらいだぁ杯のtwitter運営アカウントで確認していただきたい)。

 ともあれ、確かな実績を持っていながら、どちらも何故かこのらいだぁ杯では一度も優勝を果たしたことがないプレイヤーだ。
 お互い相手のデッキは把握しており、シロネコ選手に至ってはわっく選手の使用する通称「ダッシュピルルク」に対する秘策的なゲームプランも作ってきているらしい。

 知り合い同士だからこその気軽な会話の中で、決勝戦は始まる。
 試合が開始すれば、二人の目つきも真剣なものへと変わる。


「ストレッチパワーが溜まってきただろう?」

 前言撤回だ。先手1t目にして、シロネコ選手はいきなり意味不明なことを言い始めた。

 真面目に解説すると、シロネコ選手はノーチャージでLv1へグロウし、場を1面も展開せずターンを終了したというのが、シロネコ選手の1t目のプランニングである。
 確かに、ダッシュピルルクは1t目の《ビカム・ユー》、そのまま《月鍵タマキー》でダメージソースを大量回収してそのまま攻め込むという黄金パターンの流れが存在するデッキだ。相手のデッキが割れているなら、手札を多めにキープして相手の火力+ハンデスで身動きが取れなくなるのを避けるプランは有効といえる。

 これだけを見れば、新しいキーセレクションの『ウリス』での勝利パターンをしっかりと事前に準備してきた証拠と言える。
 ただただストレッチパワーが分からない。対面にいるわっく選手が困惑しているのも、シロネコ選手のプランに困惑しているのか、ストレッチパワーに困惑しているのか。

 何はともあれ……ストレッチパワーがハンドリソース確保のことだとするなら、後手1t目のわっく選手が先述の動きで一気にそれを溜めたことは言わずもがなだろう。
 つまり、《ビカム・ユー》→《月鍵タマキー》で《クロケル》《クロケル》《ドレイク》回収という流れだ。
 相手の場にシグニがいない場合、面要求カードは基本的に仕事ができなくなる。いつもは頼れる《ラハブ》もこのタイミングでは使いどころがなく、わっく選手の場に並んだのは置き火力として後のターンでも使いやすい《クロケル》が2枚と《マノミン》だ。

 と、ここでシロネコ選手は《ボラゴ》を手札から破棄し、《マノミン》をバニッシュすることを選択した。相手の手札に他のLv1がいなければ、これで実質1面防御となる。
 結果としてわっく選手の手札には《サーバントO2》がいたためこの目論見は失敗したのだが、その代わりにわっく選手の手札からガード札を引きずり出すことに成功したため、成果は上々と言えそうだ。
 このターンの地上の要求をシロネコ選手は全て通し、ルリグアタックはガードすることでライフは4対7になった。

 シロネコ選手は返しのターン、Lv2にグロウするとすぐ《魅惑ハナレキー》をアンロックする。出現時効果で運良く《ボラゴ》が落ちて相手の《マノミン》をバニッシュすると、続けてアンロック時効果で回収した《ボラゴ》をキー効果で切ることで《クロケル》を1枚処理。
 更に場に出した3枚のシグニのうち1枚は《ベビドラ》で、これであわよくば場に居座る予定だった《クロケル》は全て踏み潰されることとなった。わっく選手はサーバントを場に置いたこともあり、ルリグアタックをガードできない。先手2t目にして、お互いのライフは既に3枚ずつ減っている。

 ところで、《クロケル》がすぐ処理された程度で序盤のアグロが止まるほど、ピルルクは甘くない。
 わっく選手はすぐに3枚目の《クロケル》を手札から出すと、続けて《ラハブ》《ラハブ》を展開し、シロネコ選手の場を2面壊し返す。この攻撃もシロネコ選手は素通しし、LBによる防御も成立せずに青いシグニが地上の2点を刻む。
 返すシロネコ選手の手も早い。LB《アンミラ》で3枚目の《クロケル》まで処理に成功しており、《魅惑ハナレキー》の効果で《ラハブ》を処理すれば、あっという間に再びの2面要求だ。このターンのルリグアタックもわっく選手はガードできず、両者Lv4にグロウすらしていないのにライフはもう死亡圏内だ。

 全速力で攻めるピルルクと、LB及びハナレキーにより全力でやり返すウリス。アグロ対決におけるライフクロスはかくも脆い。
 ただ、ルリグデッキの数とライフの数的にはウリスが1枚勝っており、試合の展開としては少しだけウリス側が有利に立っているように見える。

「流石に3枚除去したらクロケルもうないでしょ」と上機嫌そうなシロネコ選手に対し、わっく選手は「後で覚えてろよ」と返しながら、後手3t目にして先にLv4へとグロウする。
 そして、クロケルなんていなくてもダメージソースには問題がなかった。彼は《シャハラザ》→《ドレイク》と展開してぴったり手札を0枚にすると、トラッシュから《アナスタシア》を蘇生して相手の場をすっからかんにする。
 おまけで《ドーナ CHEER》による《シャハラザ》へのバニッシュ耐性と《TETRA》のカタルシスによる次ターンの動きまで確定化させ、綺麗に3面要求を決めた。

 シロネコ選手はルリグデッキを眺めながら防御の手順を考える。ピルルク相手は、途中で飛んでくるであろうハンデスも考えて、回収と防御をきっちり両立してやらねばならない。
 彼はこのターンの行動を《リーサル・ブラック》と《セレクト・ハッピー5》に決めた。トラッシュから出てきたアナスタシアがバニッシュ→置換除外され、シロネコ選手はリソースを獲得する。これで、ライフは0vs1。

 そしてLv4。《爆掃》へとグロウし、シロネコ選手の手札は更に2枚増える。
 1t目にハンドキープ優先のプレイをした上で、アーツもキーも最大限に活用して手札を構え続けることにより、彼はピルルク相手に潤沢な手札を保ったままこの局面まで来た。

 まず、わざわざ0枚に調整したライフを増強すべく、《爆掃》のディスペアが発動される。彼のトラッシュから《アン=ミラ》がライフへと埋まり、これがシャハラザ以外の全てのシグニに対しての実質2点防御となる。
 続けて彼は、2つ目となる対ダッシュピルルクへの有効札を取り出した。ルリグデッキより《華代キー》がアンロックされると、わっく選手の《シャハラザ》をバニッシュする。

 ウリスに採用されるキーとしては、《シファル》《ファブニル》の効果をサポートしやすい《差し伸べし者 タウィル》が一般的だ。次点として《ミュウキー》が挙がる。
 しかし、プランの組み立て方によってはハンデスを重視してくるダッシュピルルクに対しては、出現時効果のおかげで面要求が繰り返しやすくなる《華代キー》は非常に有用なキーとなる。

 思わずわっく選手が「いじわる」と言うと、シロネコ選手は「乙女はいじわるなのよ」と返した……乙女?

 乙女シロネコ選手はダメージソースを節約できるようになった余裕を生かし、《ペイモン》で《シファル》を回収する。更に《アン=ミラ》を使って《ドレイク》も除去し、手札を大きく減らさないまましっかり3面要求をかました。
 もちろん、わっく選手はこの攻撃を2点以上防御する必要性がある。彼は先ほど張った《ドーナ CHEER》によりエクシード4で3面を防御し、カタルシスも合わせてこのターンのダメージを完全に0に押さえ込んだ。

 そして、カタルシス込みの4枚ドローがわっく選手の手札に入る。
 加えて《ドーナ CHEER》の効果で追い《シャハラザ》が彼の手札に加わると、《DEVIL SEAL》のハンデスと《シャハラザ》《シャハラザ》《ドレイク》による4回の-6000が入り、シロネコ選手の盤面が2つ開いた。
 序盤からアグロを繰り返してきたダッシュピルルクが、ここにきて3面要求を行えない。

 シロネコ選手は2面を守るだけでいい――が。ここで彼が取った選択肢は、将来的に3面防御になり得るアーツである《グレイブ・アウェイク》を切る選択肢だった。
《ファブニル》が蘇生され、1面の《シャハラザ》がバニッシュされ、一応これで地上は0面要求。ルリグパンチはサーバントでガードし、これで彼の防御は《セレクト・ハッピー5》と《華代キー》エクシード2回分、後はライフが1枚のみ。

 わっく選手のルリグデッキは残り2枚、ライフは1枚。
 もし《ハッピー5》があるのならば、《ドーナ CHEER》を切りながらトラッシュの《シャハラザ》を回収しておいた方が、後のトップドローで《シャハラザ》を引ける確率が高まるため都合がいいことが多い。
 また、ライフ1枚+アーツ2枚の盤面であるため、もし《ハッピー5》があるならば《CHEER》でのサーチはせずにいた方が高確率で2ターン防御を継続しやすいため総ダメージ数が得になりやすい。
 1枚のアーツは防御能力の高さからほぼ《グレイブ・ブルー》であるとして、もう1枚残ったアーツは《ハッピー5》ではない可能性がかなり高い。
 そうなると、残りの1枚はおそらく《ジャイアント・キリング》、次点で《ドント・ムーブ》あたりだろうという推測が立つ。

 これを踏まえると、シロネコ選手は「2ターン続けて3面要求を繰り返す」ことができれば、かなり高い確率で勝利が狙える。《ジャイキリ》であればライフ1枚+《ブルー》3面+《ジャイキリ》1面の5面防御に対し6点要求で勝ちであるし、《ドンム》であればリソース供給の止まったピルルクが多面要求で詰めに行くことが困難になる。
 面数の算出がしやすいキーセレクションは、一年の時を経ても未だ詰将棋の様相を呈している。

 なので、シロネコ選手は何がなんでも3面要求がしたい。したいはずだが、ここで彼は苦い顔をしながら《ベルゼブブ》《スワート》を場に出すだけでアタックフェイズに入った。
 2枚目の《シャハラザ》が処理できないのも、《ベルゼブブ》込みでも2点要求しかできないのも、どちらも猛烈に痛い。
 わっく選手は《シャハラザ》効果で手札を1枚切り、更に予想通りの《ジャイキリ》で開いた面にいる《スワート》をバウンスする。これで《シャハラザ》の-6000が2回発動し、シロネコ選手の要求は悲しくも0点に抑えられてしまった。

 このターンの攻防で、形勢はわっく選手に傾く。
 相手が詰将棋ならこちらも詰将棋。相手のリソース残量を確認した後、彼は《サーバント》1枚のみを立て、手札を残したままアタックフェイズへと移行する。
 これを、シロネコ選手は《華代キー》を使って防がなければならない。《グレイブ・ブルー》のための蘇生面が勝手に開く、それでもだ。

「負けたなぁ」とシロネコ選手がぽつり。
 返しのターン、残りの防御が《ハッピー5》とライフ1枚しかないシロネコ選手は、このターンで決めなければ勝てない。《シャハラザ》はハンドレスでパワーが14000になるため、LB《アン=ミラ》による防御が期待できないのだ。

 しかし、わっく選手が残していたアーツは最強の《グレイブ・ブルー》。蘇生カードは、もちろん《シャハラザ》2枚。前のターンに残しておいた手札が破棄され、シロネコ選手の盤面を崩壊させる。
 最後に、《シャハラザ》2面込みの3点要求。シロネコ選手は潔くデッキを畳んだ。

○わっく選手
●シロネコ選手

 試合終了後のシロネコ選手の話を聞いていると、どうやら彼は《ハッピー5》読みで《ブラック・ドラゴン・ウェーブ》を抱えていたら相手の動きでアーツに《ジャイキリ》があることが判明し、そこでプランが崩れてしまったらしい。

「何回ダッシュピル想定して回しても勝つんだけど昨日の僕本当に何してたんだろう」

 試合の翌日、彼はそんなことを言っていた。
 どうもストレッチパワーを溜めていたり、乙女になっていたりした弊害で、細かなプレイにミスが出ていたらしい。

 しかし、相手のプレイミスにしっかり付け込めるのも、プレイヤーとしての強さ。
《熾々奮迅》入りタマ、ダッシュタマ、そしてダッシュピルルク。理不尽に殴りつけるデッキを使い続ける世界王者が、貫禄の勝利を果たし、キャットフードに王手をかけた。
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後は長期人狼もやってます

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